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Revision as of 14:22, 27 April 2011

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Evidence Reports of Kampo Treatment 2010
Task Force for Evidence Reports / Clinical Practice Guideline Special Committee for EBM, the Japan Society for Oriental Medicine


感染症 (ウイルス性肝炎を含む)

Reference
宮崎瑞明, 富田寛. 小児下痢症に対する啓脾湯の検討. 漢方の臨床 1996; 43: 217-23.
Objectives
小児下痢症に対する啓脾湯の有効性の評価
Design
準ランダム化比較試験 (quasi-RCT)
Setting
診療所2施設
Participants
下痢を訴え、はじめに整腸剤 (タンニン酸アルブミン、耐性乳酸菌製剤、塩酸ロペラミット) を4日間投与し、必要に応じてホスホマイシン (50mg/kg/日) 、および解熱剤を併用投与して改善しなかった小児34名。 (男児25名, 女児9名, 年齢生後4か月~12歳6か月, 体重7~32kg)
Intervention
Arm 1: ツムラ啓脾湯エキス顆粒 1.5~2.0g/10kg/日 18名
Arm 2: コントロール群 (西洋薬治療群) 16名
Major outcome measures
下痢改善率、食欲改善率、平均下痢消失日数
Main results
平均下痢消失日数は啓脾湯投与群が6.6±2.0日であり、西洋薬治療群の8.2±1.7日と比較して統計学的に有意に短縮していた (p<0.05) 。下痢改善率および食欲改善率には両群間に有意差はなかった。
Conclusions
通常の西洋薬治療を4日間行っても効果が得られない小児下痢症に対し、啓脾湯は下痢消失日数を短縮させる有効な方剤の1つである。
From Kampo medicine perspective
試験後、retrospectiveに啓脾湯投与群の有効例と無効例を評価した結果、無効例2名は発熱など感冒症状が残留し、太陰病虚証とは見なせなかった。
Safety assessment in the article
記載なし
Abstractor's comments
小児下痢症はウイルスや細菌などによる感染性のものと食物性過敏症や酵素異常などによる非感染性のものに大別できる。大部分はウイルス感染が原因で、西洋医学では特効薬がなく、漢方治療の適応と考えられるが、本研究では重篤化する危険性のある細菌感染症をあらかじめ除外した症例を対象とした点で評価できる。対象症例における下痢の原因が特定されていないこと、年齢や体重にばらつきが大きいこと、安全性評価がなされていないことなどが問題点としてあげられるだろう。それに加えて、今後は医療経済学的評価がなされるとさらに興味深いと思われる。
Abstractor and date
新井信 2008.10.17, 2010.6.1


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